詳細統計レポート

このセクションでは、各投資資産の詳細な統計情報を提供します。投資判断に必要な各種指標を包括的に分析し、リスク・リターン特性を深く理解できるよう構成されています。

年次パフォーマンス詳細

年次リターン推移

各資産の年次リターンの推移を確認することで、長期的なトレンドを把握できます。

リスク調整後リターン指標

シャープレシオの詳細分析

リスクフリー・レートを考慮したシャープレシオの推移を分析します。

リスク調整後パフォーマンスの特徴

金関連資産の卓越した安定性:2025年5月時点で、金関連の資産(iシェアーズゴールドETF、SBI-EXE-iシェアーズ・ゴールドファンド)が最も安定して高いシャープレシオを維持しており、iシェアーズゴールドETFは2.27の優秀な水準を記録しています。

株式資産の回復傾向:外国株式インデックスファンドや米国株式ファンドは、2025年5月の好調なパフォーマンスにより、シャープレシオが改善傾向にあります。特に米国株式関連ファンドは0.08-0.11の水準まで回復しています。

ドイツ株式の優秀なパフォーマンス:NEXT FUNDSドイツ株式・DAX(1357)は1.25のシャープレシオを記録し、欧州株式の中でも特に優れたリスク調整後リターンを示しています。

REITの分化継続:国内REITの中でも、三井不動産ロジスティクスパーク(0.39)が相対的に安定している一方、ジャパン・ホテル・リート(-0.62)は依然として厳しい状況が続いています。

ソルティノレシオ

下方リスクのみを考慮したソルティノレシオによる評価も重要です。

情報比率(Information Ratio)

ベンチマークに対する超過リターンの効率性を測定します。

分散投資効果の定量分析

ポートフォリオの最適化

現代ポートフォリオ理論に基づく効率フロンティアの分析を行います。

効率的フロンティアの特徴

金の優位性: 金関連資産をポートフォリオに組み入れることで、同じリスクレベルで高いリターンが期待できる効率的フロンティアが形成されます。特にiシェアーズゴールドETFは62.01%の3年リターンで効率フロンティアの上位に位置しています。

地域分散の効果: ドイツ株式DAX(32.25%の3年リターン)を組み入れることで、米国株式中心のポートフォリオに地域分散効果をもたらし、リスク分散に寄与しています。

REIT配分の最適化: 国内REITの最適配分は10-15%程度で、三井不動産ロジスティクスパーク(12.05%の3年リターン)のような安定したREITを選択することが重要です。

外国株式の核となる役割: 外国株式インデックスファンド(18.46%の3年リターン)は、ポートフォリオの中核を担う重要な位置づけとなっており、長期的な成長エンジンとして機能しています。

相関係数マトリックス

資産間の相関関係を定量的に分析し、分散投資の効果を評価します。

リスク指標の詳細分析

VaR(Value at Risk)

95%信頼水準での最大損失額を推定します。

最大ドローダウン

各資産のピークからボトムまでの最大下落率とその期間を分析します。

最大ドローダウンの特徴

金の下方耐性:金関連資産は他の資産クラスと比較して最大ドローダウンが小さく、下方リスクが限定的です。

REITの回復力:国内REITは一時的な大きな下落があっても、比較的短期間で回復する傾向があります。

株式の長期回復:外国株式は最大ドローダウンが大きい場合でも、長期的には回復し新高値を更新する傾向があります。

カルマーレシオ

年率リターンを最大ドローダウンで除したリスク調整指標です。

セクター別分析

不動産セクター内の分散

不動産投資においても、セクター内での分散が重要です。

不動産セクター分散の効果

オフィス系REIT:森ヒルズは都心のプレミアムオフィスに集中投資しており、安定したキャッシュフローが特徴です。

物流系REIT:三井不動産ロジスティクスパークはeコマースの成長とともに需要が拡大する物流施設に投資しています。

ホテル系REIT:ジャパン・ホテル・リート投資法人は観光需要と強く連動し、経済サイクルの影響を受けやすい特性があります。

地域別分散効果

国内資産と海外資産の組み合わせによる分散効果を分析します。

投資戦略への示唆

長期投資戦略

長期投資の観点から、各資産の位置づけを明確にします。

長期投資における資産配分

コア資産:外国株式インデックスファンド(ニッセイ外国株式、三菱UFJ-eMAXIS Slim)をポートフォリオの50-60%とする基本配分

分散資産:金関連資産を15-20%、国内REITを10-15%、残りを現金等で構成する分散配分

リバランシング:年1-2回の頻度で、目標配分からの乖離を修正するリバランシングを実施

短期・中期戦略

市場環境の変化に応じた戦術的配分調整の考え方を提示します。

リスク管理

下方リスクを限定するためのヘッジ戦略を検討します。

投資判断支援情報

各資産の投資適性

投資家のリスク許容度や投資目的に応じた資産選択の指針を提供します。

市場環境別パフォーマンス

異なる市場環境(上昇相場、下落相場、レンジ相場)での各資産のパフォーマンス特性を分析します。

将来見通し

現在の市場環境を踏まえた各資産クラスの将来見通しを提示します。

最新のリスク・リターン統計(2025年5月)

主要指標サマリー

資産コード

資産名

月次リターン(%)

ボラティリティ(%)

シャープレシオ

1年リターン(%)

3年リターン(%)

1357

NEXT FUNDSドイツ株式・DAX(為替ヘッジなし)連動型上場投信

3.78

15.37

1.85

21.52

32.25

314A

iシェアーズゴールドETF

1.89

18.83

1.50

46.98

62.01

3234

森ヒルズ

2.63

13.35

0.34

3.04

3.55

3471

三井不動産ロジスティクスパーク

5.42

16.76

0.62

9.52

12.05

8985

ジャパン・ホテル・リート投資法人

1.09

20.84

-0.30

-9.44

-7.85

2931113C

ニッセイ外国株式インデックスファンド

4.87

20.76

0.51

5.82

18.46

03311187

三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

4.91

21.77

0.50

6.01

19.78

9I312179

楽天・全米株式インデックス・ファンド

4.98

22.05

0.48

6.07

19.45

89315135

SBI-EXE-i全世界REITファンド

0.37

18.30

0.00

1.08

9.32

89319236

SBI-SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)

1.34

13.04

1.61

27.66

36.78

8931A236

SBI-EXE-iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)

2.63

17.38

1.47

31.49

41.84

6431917B

三井住友TAM-SMTゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし)

2.18

17.72

1.43

30.88

41.05

主要な統計的特徴

パフォーマンス特性

リターン分布: 2025年5月は全体的に好調で、12資産中11資産がプラスリターンを記録しました。最高は三井不動産ロジスティクスパーク(5.42%)、最低はジャパン・ホテル・リート(1.09%)でした。

ボラティリティ分析: 最も安定していたのは為替ヘッジありゴールドファンド(13.04%)で、最も変動が大きかったのは楽天・全米株式インデックス・ファンド(22.05%)でした。

リスク調整後リターン: ドイツ株式DAX(1.85)が最高のシャープレシオを記録し、続いて為替ヘッジありゴールドファンド(1.61)、iシェアーズゴールドETF(1.50)の順となりました。

長期vs短期パフォーマンス: 3年間のリターンで最も優秀だったiシェアーズゴールドETF(62.01%)は、月次でも安定したプラスリターン(1.89%)を記録しており、一貫性の高いパフォーマンスを示しています。