銘柄ごとの相関¶
このセクションでは、投資ポートフォリオ内の各資産間の相関関係について分析します。相関関係を理解することは、効果的な分散投資のために不可欠です。
相関係数ヒートマップ¶
下記のヒートマップは、各資産間の相関係数を視覚的に表したものです。色が濃いほど相関が強く、薄いほど相関が弱いことを示しています。

相関に関する主要な発見¶
相関ヒートマップから以下の重要な特徴が観察できます:
- 相関パターン
株式系資産間の高い相関: ニッセイ外国株式インデックスファンド、三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、楽天・全米株式インデックス・ファンドの間には0.9以上の非常に高い相関があり、これらは実質的に同じリスク特性を持つと考えられます。
国内REIT間の中程度の相関: 森ヒルズ、三井不動産ロジスティクスパーク、ジャパン・ホテル・リート投資法人の間には0.5〜0.7程度の中程度の相関があり、同じREIT資産クラスでありながら、異なる不動産セクター(オフィス、物流施設、ホテル)に投資することで一定の分散効果が得られています。
金関連資産の独立性: iシェアーズゴールドETFやSBI-EXE-iシェアーズ・ゴールドファンドと他の資産との相関は概して低く(0.3以下)、特に株式市場が下落する局面では負の相関を示す傾向があり、ポートフォリオの安定化に貢献しています。
ドイツ株式の独自性: NEXT FUNDSドイツ株式・DAXは米国株式との相関が0.7程度と中程度で、欧州市場特有の値動きを示しており、地域分散の効果が期待できます。
全世界REITと国内REITの相関差: SBI-EXE-i全世界REITファンドは国内REITよりも海外株式との相関が高く(0.7以上)、グローバルな経済要因に影響されやすい特性を示しています。
注目すべき資産ペアの相関分析¶
以下では、ポートフォリオ構築において特に重要ないくつかの資産ペアについて詳細に分析します。
金ETFと株式インデックスの相関¶
金関連資産は株式市場との相関が低いため、分散投資の効果が高い組み合わせです。

インタラクティブ三井住友TAM-SMTゴールドと楽天米国株式の相関

インタラクティブ三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式と金の相関

金と株式の相関分析¶
- 特徴と投資示唆
危機時の逆相関: 株式市場が大きく下落する局面(2020年のコロナショックなど)では、金関連資産は価格上昇する傾向があり、ポートフォリオの下落を緩和する効果があります。
金の独立した値動き: 金価格は株式市場と異なり、インフレ予想や地政学的リスク、実質金利などに影響されるため、独自の値動きを示します。
最適な配分比率: 過去のデータから、ポートフォリオに10-20%程度の金関連資産を組み入れることで、リスク調整後リターンが向上する傾向が見られます。
国内REITと海外株式の相関¶
REITと株式は異なる資産クラスでありながら、経済環境によっては類似した値動きを示すことがあります。


インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークと米国株式の相関

インタラクティブジャパン・ホテル・リートと楽天米国株式の相関
REITと株式の相関分析¶
- 相関の時間変化
コロナショック前後の変化: コロナショック以前は相関が低めでしたが、ショック時には相関が一時的に高まり、その後も以前より高い水準で推移しています。
セクター固有の特性: 特に、物流REITはeコマースの拡大とともに株式市場と正の相関を強め、ホテルREITは観光需要と連動して景気サイクルと高い相関を示しています。
分散投資効果: 相関は完全にゼロではないものの、長期的には0.4〜0.6程度の中程度の相関にとどまるため、両方を保有することでポートフォリオの分散効果が期待できます。
J-REIT間の相関¶
同じJ-REIT資産クラス内でも、不動産セクターによって相関に違いがあります。

インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークとジャパン・ホテル・リートの相関


インタラクティブ森ヒルズと三井不動産ロジスティクスパークの相関
J-REIT間の相関分析¶
- セクター間の相関特性
オフィスとホテルの相関: 森ヒルズ(オフィス中心)とジャパン・ホテル・リート投資法人の相関は約0.6であり、都心部の不動産需要という共通ファクターを持ちつつも、異なるテナント特性によって完全には連動していません。
物流施設の独自性: 三井不動産ロジスティクスパークは他のJ-REITと比較して、eコマース需要という独自の成長ドライバーを持ち、特にコロナ禍ではこの傾向が強まりました。
市場環境による変動: 金融危機やコロナショックなどの市場混乱期には、J-REIT間の相関が一時的に高まる傾向があります。これは投資家のリスク回避行動によるものと考えられます。
ポートフォリオ構築への示唆¶
相関分析から得られる投資戦略への示唆をまとめます。
効率的な分散投資のための資産配分¶
ポートフォリオの分散効果を最大化するためには、相関の低い資産の組み合わせが重要です:
防御的配分
金関連資産(iシェアーズゴールドETF、SBI-EXE-iシェアーズ・ゴールドファンド)は他資産との相関が低く、市場下落時にはヘッジとして機能するため、ポートフォリオの10-20%程度の配分が適切です
株式とREITの最適バランス
海外株式(ニッセイ外国株式インデックスファンド、三菱UFJ-eMAXIS Slim)と国内REIT(森ヒルズ、三井不動産ロジスティクスパーク)は中程度の相関(0.4-0.6)であり、両者をバランス良く保有することでリスク調整後リターンが向上します
J-REIT内の分散
異なるセクターのJ-REIT(オフィス、物流、ホテル)を組み合わせることで、不動産市場内での分散効果が得られます
時間経過に伴う相関の変化¶
資産間の相関関係は静的なものではなく、時間の経過とともに変化します。以下では主要な資産ペアのローリング相関(6ヶ月間の移動相関係数)を分析します。
REITと株式の時間的相関変化¶


インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークと米国株式の時間的相関変化

インタラクティブジャパン・ホテル・リートと楽天米国株式の時間的相関変化
- 時間経過による相関変化
市場ショック時の相関上昇: 2020年初頭のコロナショック時には、REITと株式の相関が0.8以上に急上昇しました。これは市場全体のリスク回避行動によるもので、危機時には分散効果が低下することを示しています。
正常時への回帰: ショック後、相関は徐々に中程度のレベル(0.4-0.6)に戻る傾向がありますが、完全にショック前の水準には戻っていません。これは市場の構造的変化を示唆しています。
セクター特性の影響: 物流REITは特にeコマース拡大の恩恵を受け、コロナ後の株式市場との相関パターンが他のREITと異なる傾向を示しています。
金と株式の時間的相関変化¶



- 金と株式の時間的関係
危機時の負の相関: 市場ストレス期(2020年3-4月、2022年前半など)には、金と株式の相関が負の領域(-0.3〜-0.5)に低下する傾向があり、この時期に金がポートフォリオの下方リスクを効果的に軽減します。
相関の変動幅: 金と株式の相関は-0.5から+0.3まで大きく変動し、他の資産ペアと比較して不安定です。これは金価格が株式市場以外の要因(実質金利、インフレ期待、地政学的リスクなど)に強く影響されるためです。
長期トレンド: 過去5年間のデータを見ると、金と株式の相関は長期的に弱い負の相関から弱い正の相関へとシフトする傾向が見られます。この変化は世界的な金融緩和政策と関連している可能性があります。
REIT間の時間的相関変化¶


- REIT間の相関ダイナミクス
セクター特性の分離: コロナ禍では特にホテルREITと物流REITの相関が低下(0.3程度まで)し、不動産タイプによる明確な分化が見られました。これはパンデミックがセクターごとに異なる影響を与えたことを反映しています。
相関の収束: 経済正常化に伴い、REIT間の相関は再び上昇(0.5-0.7程度)し、不動産市場全体に影響する共通要因(金利環境など)の影響力が強まっています。
森ヒルズの特性: オフィス中心の森ヒルズは、他のREITと比較して相関の変動幅が小さく、より安定した値動きを示しています。これは長期契約に基づくオフィス賃料の安定性を反映しています。
ローリング相関分析¶
相関係数は時間とともに変化します。以下では、主要な資産ペアの6ヶ月ローリング相関の推移を詳細に分析します。
REITと株式のローリング相関¶
森ヒルズと外国株式のローリング相関¶



三井不動産ロジスティクスパークと外国株式のローリング相関¶

インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークと米国株式のローリング相関

インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークとニッセイ外国株式のローリング相関

ジャパン・ホテル・リートと外国株式のローリング相関¶

インタラクティブジャパン・ホテル・リートと米国株式のローリング相関

インタラクティブジャパン・ホテル・リートとニッセイ外国株式のローリング相関

金と他資産のローリング相関¶
金と株式のローリング相関¶



金とREITのローリング相関¶

インタラクティブ金とSBI-EXE-i全世界REITファンドのローリング相関

インタラクティブ金とジャパン・ホテル・リートのローリング相関

インタラクティブ金と三井不動産ロジスティクスパークのローリング相関

REIT間のローリング相関¶

インタラクティブ森ヒルズとジャパン・ホテル・リートのローリング相関

インタラクティブ森ヒルズと三井不動産ロジスティクスパークのローリング相関

インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークとジャパン・ホテル・リートのローリング相関

インタラクティブ森ヒルズとSBI-EXE-i全世界REITファンドのローリング相関

インタラクティブジャパン・ホテル・リートとSBI-EXE-i全世界REITファンドのローリング相関

外国株式間のローリング相関¶

インタラクティブニッセイ外国株式とSBI-EXE-i全世界REITファンドのローリング相関


インタラクティブニッセイ外国株式と楽天米国株式のローリング相関


インタラクティブSBI-EXE-i全世界REITファンドと米国株式のローリング相関

市場環境変化への対応¶
相関係数は市場環境によって変化するため、以下の点に注意が必要です:
- 相関の動的特性
危機時の相関上昇: 市場危機時には多くの資産間の相関が上昇する傾向があり、分散効果が低下することがあります。金関連資産はこのような環境でも比較的安定した分散効果を維持します。
長期的な相関変化: デジタル化やESG投資の台頭など、構造的な経済変化によって資産間の相関関係は徐々に変化する可能性があります。定期的な相関分析の見直しが重要です。
相関と因果関係: 相関は必ずしも因果関係を示すものではなく、背後にある共通のファクターを理解することが、より効果的な分散投資につながります。
詳細な資産ペア別相関分析¶
このセクションでは、主要な資産ペアの個別相関チャートを通じて、より詳細な分析を提供します。
REITと海外株式の相関¶
SBI-EXE-i全世界REITファンドと外国株式の相関¶

インタラクティブSBI-EXE-i全世界REITファンドとニッセイ外国株式の相関

インタラクティブSBI-EXE-i全世界REITファンドと米国株式の相関

J-REITと外国株式の相関¶
ジャパン・ホテル・リート投資法人¶

インタラクティブジャパン・ホテル・リートとニッセイ外国株式の相関


三井不動産ロジスティクスパーク¶

インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークとニッセイ外国株式の相関

インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークと米国株式の相関

森ヒルズ¶



金と他資産の相関¶
金ETFと株式の相関¶

インタラクティブ三井住友TAM-SMTゴールドと楽天米国株式の相関

インタラクティブ三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式と金の相関

金ETFとREITの相関¶

インタラクティブSBI-EXE-i全世界REITファンドと金の相関



J-REIT間の相関¶

インタラクティブジャパン・ホテル・リートとSBI-EXE-i全世界REITファンドの相関

インタラクティブ三井不動産ロジスティクスパークとジャパン・ホテル・リートの相関


インタラクティブ森ヒルズと三井不動産ロジスティクスパークの相関

インタラクティブ森ヒルズとSBI-EXE-i全世界REITファンドの相関

外国株式間の相関¶


